飲食店では主に現金での取引が多くなりますので、日々の現金管理は大変重要になってきます。営業終了時の帳簿上の現金残高と実際の現金残高とを照らし合わせ現金過不足を認識する。レジ入力ミス、釣り銭ミス等、現金過不足が生じやすいのは現金売上で、かつ、比較的単価が安く、売上個数の多い職種の共通の特徴です。
日々の営業において現金過不足が多く発生するような場合には、現金の締めを昼食の営業終了時、閉店時等2回以上とすることで、ミスを減らし現金過不足が極力おこらないよう注意しましょう。
飲食店は典型的な現金取引業です。POSレジ等を含め日々の現金有高はいつでも説明できるよう管理しておく必要があります。
売上高を含めた資金の流れを把握できるようすべての取引は預金口座を通過するような形をとることをお勧めします。そうすれば通帳を通して資金の流れを把握できます。売上については、売上専用の口座を開設し毎日入金する様に心がけて下さい。もし毎日が大変な場合、二日に一回、三日に一回、一週間に一回という様に、定期的に通帳を通す習慣をつけてみて下さい。
飲食店の税務調査の際、一番注目する点といえば現金管理です。現金管理をきちんとしているか確かめるため、事前連絡なしにいきなり税務調査を受けなければならないことがあります。営業開始前に突然来て前日の締め後の帳簿残高と実際の現金残高がしっかり合っているか照らし合わせます。ここで、帳簿上の現金と実際の現金残高とが違った場合、売り上げを意図的に計上している(ごまかしている)のではないか、との視点から調査を進められるケースが多くあります。だから、毎日の現金管理はとても重要なのです。突然訪問されても安心できる様な管理をしておいて下さい。
勤務時間をシフト制等により分割するため何人もの従業員を雇っている場合や、短期間のアルバイトが多い場合には特に、履歴書やタイムカードを一定期間保管しておくことが重要です。また、従業員等へは扶養控除等申告書を必ず提出することを忘れないで下さい。これらの書類が保管されていない場合は税務調査の際に、架空人件費を計上しているのではないか疑われたり、扶養控除等申告書の提出がないにもかかわらず甲欄で源泉徴収をしていたため源泉税の徴収不足が問題となるケースがあります。